最近、マダニに関するニュースをよく目にします。このマダニという虫についてご存知でしょうか?
マダニは家屋に住むダニと違って草むらなどに潜んでおり、通りかかった人や動物の血を吸います。このため、マダニによる人の健康被害には、虫の寄生による皮膚障害に加えて、吸血するときに運ぶ感染症があります。
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今のところ東北地方以北でSFTS(重症熱性血小板減少症候群)発症の報告はありませんが、原因ウイルスの遺伝子を持つダニは北海道で確認されています。また、ダニ媒介性脳炎については同じく北海道で死亡例が出ています。
一方で、マダニが運ぶ病気は犬にもあります。岩手県では、それまで東北ではみられなかったバベシア症という病気が報告されました(診断した獣医さんはお見事でしたね)。バベシア症は根治が難しく、予防が大事です。
このように、マダニが原因の病気が人にも動物にも広がっています。ですから、犬猫のマダニ予防は、ペット自身だけでなく、家庭に持ち帰らせないことでご家族をも守るのです。野山はもちろん、市街地でもマダニは活発に活動しています。屋外に出る犬や猫には予防薬を用い、ダニの多い場所に近づけないようにしましょう。