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2017.09.19

歯カット(生活歯髄切断術)

歯が折れた、長すぎて歯ぐきや唇に刺さる、または重度の噛み癖などのときに、歯を短くすることがあります。

これを生活歯髄切断術といいます。

 

歯の中心には、神経や血管が通う歯髄があります。歯髄が見えていると、しみたり、炎症をおこして歯を失ったりしてしまいます。そこで、歯を温存し将来のトラブルを防ぐのがこの処置の目的です。今回は実際のケースをご紹介します。

 

この若い猫ちゃん、キャットタワーから落ちて犬歯が折れてしまいました。また以前から犬歯が下唇に刺さって血が出ることが続いたため、この機会に左右の上顎犬歯を短くすることにしました。

※歯の治療の写真が苦手な方はご注意下さい。

はじめに口の中を診ると、歯石や歯ぐきの赤みがあります。

また歯垢で表面が凸凹になっています。歯周病になり始めているので、先にそちらを治療します。

 

茶色い歯石と歯ぐきの赤みがあります。

プラークで歯の表面が凸凹しています。
超音波洗浄の後ブラシで細かな歯石を除き、さらにカップで歯周ポケットの中まで仕上げ磨きをします。

プロフィーブラシで粗研磨

ラバーカップで仕上げ研磨
消毒液で洗い流したら、清潔で、新たな歯石がつきにくい歯になりました。

見えないポケットの中も

歯の表面もツルツルに。

さて、ここからが歯カットです。
唾が流れ込まないように仰向けにすると、折れた歯の中心に歯髄が見えます。
犬歯を短く切りそろえ、中を削り、さらに歯髄を掘り進めます。

歯の中心には神経や血管が通っています。

歯髄が露出しないよう削ります。

充填材で歯髄を守ります。

光照射して詰め物を固めます。

そこへ、歯科用接着剤のための下処理をし、被せ物が剥がれないように接着剤を塗ります。

エッチング

ボンディング材を塗布

最終的に歯と同じ色の被せ物を重ねたら、、、

レジンを充填して

さらにこんもりと重層

いよいよ仕上げです。被せ物の表面を滑らかにして完成。

レジンの研磨

完成

もう噛み締めても痛くありません。

犬歯が短くなりました。

下唇に当たりません。

いかがでしたか?

全身麻酔で眠っている間に一回で終わるのは羨ましいかも?!

愛犬、愛猫の歯を温存しつつ、痛くならないようにしてあげたい方はご相談ください。

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