大腿骨骨折の症例
上の写真は子猫(5ヶ月齢)の右大腿骨骨折の例です。レントゲン上明らかな骨折があります。
治療しなければ将来的に歩行機能に障害が起こります。
大腿骨は非常に強い負荷のかかる部分であり、また、ギプスで股関節を固定することできないため、骨折の治療の際は、手術による内固定が必要になります。
本ケースは手術による内固定(スタインマンピンの設置)を行いました。6ヶ月齢未満の患者の場合は仮骨増殖が早いためこの方法で治療できます。
骨折片の不安定性が高い場合は、プレートやサークラージワイヤー等、他の固定方法を追加することもあります。
治療の流れ
▶︎ 骨折部位を外科的に整復(内固定)
全身麻酔下で骨折片を整復し、スタインマンピンを髄腔内に挿入します。
▶︎ 手術2ヶ月後
骨折線が見えなくなり、仮骨のリモデリングにより皮質骨の再形成が起こっています。後日スタインマンピンを除去しました。
▶︎ 手術4ヶ月半後
皮質骨の再構築がほとんど終了しています(完治)